汚染物質を分解する微生物の働きを活性化させる薬剤を浄化対象地盤に注入して、浄化対象地盤に棲息している微生物を活用して原位置で汚染物質を微生物分解する工法(バイオスティミュレーション)です。
適用可能な対象物質は、 VOCs 、燃料油です。油汚染の油臭・油膜対策には高い効果があります。
薬剤を注入した後の微生物分解能が長期間持続するため、効果範囲を比較的広く設定でき、構造物が邪魔をして薬剤を直接注入することのできないエリアや構造物の直下の浄化ができるという特長があります。一方、地盤の条件によっては微生物分解反応が進まなかったり、汚染物質の分解が途中で停止したりすることがあるため、事前の適応性評価が重要です。最新の分子生物学的手法を用いた当社のトリータビリティ試験に基づく設計ノウハウと分解過程のモニタリングが成功の鍵となっております。
微生物分解促進剤としては、ベンゼンや燃料油を対象とした好気分解を促進する場合は、 ORC® 、過酸化水素などの酸素源とエコットリキッドなどの栄養源を使用いたします。また、塩素化 VOCsを対象とした嫌気分解を促進する場合は、 HRC®を使用いたします。
ORC®を地中に注入すると主成分である過酸化マグネシウムは水と反応して重量の約 10 %の酸素を長期間(半年〜 1 年)にわたって発生します。
MgO 2 + H 2O → 1/2O 2 + Mg(OH) 2
薬剤注入後の維持管理は不要です。
低濃度・広範囲・敷地境界などのベンゼンや油分汚染の浄化に適しています。
ベンゼン汚染に適用した事例
極低濃度の過酸化水素で高濃度酸素水を調整して地中に供給します。
油分の含有量が高く、酸素要求量の高い汚染の浄化に適しています。
ベンゼン汚染に適用した事例
HRC®を地中に注入すると主成分であるポリ乳酸グリセリンエステルは加水分解して乳酸が生成します。乳酸は嫌気微生物により分解され長期間(半年〜1年)にわたって水素が発生します。その水素がDehaloccoides属菌による塩素化VOCsの脱塩素化に用いられます。 薬剤注入後の維持管理は不要です。
塩素化VOCsの嫌気的脱塩素化には、4つのグループの脱塩素化酵素が働いております。無害なエチレンまでの完全な脱塩素化が進むためには、特定の酵素(BvcA又はVcrA)が必要です。この酵素がないと脱塩素化は有害な塩化ビニルで止まってしまいます。 当社では、浄化の確実性を担保するために塩素化VOCsの嫌気バイオレメディエーションを適用する前に、浄化対象地盤におけるBvcAやVcrAの存在を遺伝子レベルで確認するとともにバイアルを用いた分解試験を行って適用可能性を評価いたします。




