土壌汚染調査・浄化 株式会社アイ・エス・ソリューション

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発表論文

複合汚染サイトの原位置酸化修復の設計

(著作者)
  • 宋德君1
  • 姚佳佳1
  • 雷鳴1
  • 山内仁1,2
  • 1中国江蘇聖泰実田環境修復有限責任公司
  • 2株式会社アイ・エス・ソリューション

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1.はじめに

過酸化水素CHP(Catalyzed Hydrogen Peroxide)を用いたフェントン反応剤を利用した原位置化学酸化技術は、薬剤が比較的安価であるため広く応用されている。しかし、高濃度の複合有機化合物を有するサイトにおいては、その浄化効果が汚染物質の種類、総量に左右される。そのため、従来比較的単純な汚染物質を対象とする設計では、対応しきれない面が否定できない。本報告では、中国江蘇省のある化学工場跡地の汚染サイトにおいて採取された土壌を対象に、複合有機化合物に対するフェントン浄化効果の試験結果をベースに、設計手法を検討した結果を報告する。

2.汚染状況と試験方法

汚染サイトは、約50年歴史のある石油化学工場の跡地で、主にベンゼン系原料の合成生産を行ってきた。現地調査では、ベンゼン系物質を約20種類検出され、主な汚染物質はベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、2,4-ニトロクロロベンゼン、1,4-ジクロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン等である。

フェントン酸化剤の分解効果を検証するため、汚染サイトから採取された汚染土壌を用いて室内試験を行った。土壌汚染状況は表‐1に示す。試料をガラス製瓶に入れて、H2O2の最終濃度を1%になるようにフェントン薬剤を添加して、シールにより密閉した。また、実際の工法を考慮して、薬剤を一回添加したケース、複数回分けて添加したケースを追加して、その浄化効果に対する影響を考察した。浄化効果は、ガスクロマトグラフ/質量分析法(GC-MS法)により、試料中の残留汚染物質の濃度を測定した。試験条件を表-2に示す。

表-1 土壤中の主要汚染物質(mg/kg)
ベンゼン

クロロベンゼン

ニトロベンゼン

2,4-ニトロクロロベンゼン

3.17 12.26 131.49 12.07
表-2 試験条件
試験系 反応時間 フェントン試薬 薬剤添加量
対照 24h,48h,72h なし

土壌:500mg

純水

反応A(一回添加) 24h,48h,72h

H2O2、硫酸第一鉄、

クエン酸Na

土壌:500mg

H2O2:1%

反応B(複数回添加) 24h,48h,72h

H2O2、硫酸第一鉄、

クエン酸Na

土壌:500mg

H2O2:1%

3.試験結果

フェントン反応では、酸化のpH域で過酸化水素に鉄(II)化合物が触媒的に反応して複雑な連鎖反応が起こり、酸化力の強いヒドロキシルラジカル(・OH)を発生させる方法で、反応式は式(1)のようになる。このOHラジカルは酸化作用があることが重要なポイントとなる2),3)。ここで生成した・OHラジカルは強力な酸化剤で有機化合物の化学結合を切断して無差別に酸化する。

・OHラジカルはフッ素に次ぎ2番目に高い酸化能力を持っている。過酸化水素と式(1)で生成したFe3+が反応して過ヒドロキシルラジカル(・OOH)を生成する。反応式は式(2) のようになる。これこそがフェントン反応剤による酸化分解の主役で、ヒドロキシルラジカルはほとんどの炭化水素と反応して、最終生成物として炭酸ガスと水を生成する。

Fe2+ + H2O2 → Fe3+ + ・OH + OH                     (1)
Fe3+ + H2O2 → Fe2+ + ・OOH + OH                     (2)

各条件下のフェントン反応による各有機化合物質の分解反応における各種類の汚染物質の残留濃度経時変化を図‐1~図-4に示す。フェントン薬剤添加後、時間とともにクロロベンゼン、ニトロベンゼン、2,4-ニトロクロロベンゼンの残留濃度が低くなり、分解が進行していると確認された。しかし、同じ量のフェントン薬剤でも、投入回数によって分解効果が大きく異なる。複数添加の場合は、いずれの汚染物質も分解効果がより顕著であった。

4.おわりに

本報告では、異なる条件のフェントン反応を利用して複合汚染物質の分解効果を確認した。高濃度の複合有機汚染物質に対しても、フェントン反応による浄化効果が期待できる。しかし、汚染物質の性質、濃度によって分解速度と除去率が異なり、薬剤濃度、添加回数も効率的浄化効果を影響することが確認された。特に高濃度の汚染物質は、同じ薬剤量でも一回投入よりも複数回分けて投入したほうがより浄化効果が得られる。これは現場試験結果からも確認されており、今後追って詳細を報告したい。

[参考文献]

1)

一般社団法人 土壌環境センター(2012):土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版).

2)

田熊保彦、加藤茂、小島紀徳(2008):フェントン反応による揮発性有機化合物の分解速度,東京都立産業技術研究センター研究報告,第3号,pp.86~87.

3)

宋德君、姚佳佳、雷鳴、山内仁(2014):複合汚染地下水の酸化修復設計とモニタリング, 第20回 地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会, pp.71~73.

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